言葉のつれづれ
ホーム » 言葉のつれづれ
瓢箪

処暑

2020年8月26日

処暑とは8月23日頃で、白露までの間をいいます。
日中の暑さも随分と和らいできて、また台風到来の時期でもあります
しかし、日中の暑さはまだまだ注意が必要です。どうぞ熱中症などお気をつけてお過ごしください。

興福寺の本堂では、鈴虫がさわやかな鳴き声を響かせています。
りーんりーんと、鈴を振るように続けて鳴く虫で、古来から美しい鳴き声が愛されてきました。江戸時代には虫売がいて、鈴虫や松虫を虫篭にいれて夜店などで売っていたそうです。
毎朝、胡瓜や茄子,りんごと、霧吹きでのたっぷりのシャワーが鈴虫にはなによりのごちそうのようです。

鈴虫の四角に鳴かせをりし籠   稲畑汀子


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ
◎インスタグラム
https://www.instagram.com/kofukuji_nagasaki/

瓢箪

花のいのち

2020年8月21日

興福寺山門を入ると白いさるすべりの花が来山者を迎えてくれます。その花の木の下には、斎藤茂吉の歌碑があります。
「長崎の 昼静かなる唐寺や おもひいずれば白きさるすべりの花」。
実は、興福寺境内の池の端に淡い紅色のさるすべりがあり、茂吉はこの花をみて歌を詠んだのだと言われています。

さて、このさるすべりには、このような話しがあります。
今から二十数年前。
庭の手入れをしていた植木屋のご主人が「このさるすべりは根からすっかり枯れとるですばい、根から掘って処分しましょ」と。
「いいや、ちょっと待って下さい」と、毎日も水をやりながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と声をかけました。考えたら今まで水などやったこともなかったのです。
すると、どうでしょう、新しい根がでてきてすくすくと育つではありませんか。
驚いたのは植木屋さん。「こんなことがあっとですかね?」と首を傾げます。
はい、実は興福寺ではこのような話がまだ他にもあるのです。それはまた別の機会に。
花にもやはり心があるのでしょうか?


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ
◎インスタグラム
https://www.instagram.com/kofukuji_nagasaki/

瓢箪

立秋

2020年8月17日

お盆の精霊流しも終わりました。今年はコロナ感染の影響で、精霊流しもなさらないご家庭もあり、様々なかたちでお盆を迎えられたことと思います。
長崎の盆は夜に墓参をいたしますが、寺の裏山に並ぶ墓に、それぞれの家紋を記した提灯が灯ると、それはそれは美しい景色です。お提灯の数が多いところは初盆を迎えるご一家ですが、今年は墓参も控えておられるところも多く、さみしい景色でした。

お盆も済むと急に秋の気配がしてきます。
本年の立秋は8月7日から22日ごろまでで、暦のうえではすでに秋。雲のようすもなんとなく秋の気配です。

本堂では、大事に育てている鈴虫の音色が涼やかに響いています。
キュウリや茄子、リンゴ等に、朝からのたっぷりの霧吹きでのシャワーが なによりのごちそうのようです。


興福寺と親しい向井万里子氏のweb写真展が14日より開催中です。
詳細は「お知らせ」で。是非ご覧ください。
https://fotopus.com/salon/dl/kZ


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ
◎インスタグラム
https://www.instagram.com/kofukuji_nagasaki/

瓢箪

盂蘭盆会

2020年8月13日

興福寺盂蘭盆会法要
8月14日:11時、13時30分、19時
8月15日:11時、13時30分
於大雄宝殿(本堂)
本堂内は「三密」にならぬようにイスを離して設置致し、仏具の消毒や僧侶の手洗い・消毒なども徹底して行うことにいたします。そのために、法要後のお茶接待は中止といたします。皆様もどうぞ健康に気をつけてお参りください。

盂蘭盆会はご先祖を供養する法要です。
長崎では、自宅のお仏壇に菰(こも)といわれる藁(わら)で作った敷物を敷いて、お菓子や果物、お野菜などをお供えします。
そして、14日の初日には「迎えだご」」、15日には「送りだご」を供えます。だごとは白玉粉で作ったお団子で、しっかりとねった白玉粉を丸め、人差し指と中指二本でぐっとうえから押さえます。するとこの二本の指のかたちが「人」という字になり、ご先祖を意味するのです。
このお 供えものと一緒に、細長い枝のようなものも二種類供えます。これは帰ってこられるご先祖に使っていただく「お箸」と「杖」です。また、ほおずきはあちらに帰るご先祖の足下を照らす提灯のかわりです。
墓参は、初盆以外の方は14日と15日にお参りします。
長崎のお盆は、なによりも墓参を夜にするのですから、皆様びっくりなさいます。
さらにお墓では花火や爆竹をしてご先祖を迎えるというのですから、他では考えられない習慣です。やはり、中国文化の大きな影響です。
長崎では、山の斜面にお墓があり、上に行けば行くほど格式の高い墓と言われてきました。暗闇にそれぞれの家紋をいれた紋提灯が灯されるとそれは大変美しい光景です。
お盆が終わると長崎は一挙に秋を迎えます。

◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ
◎インスタグラム
https://www.instagram.com/kofukuji_nagasaki/

瓢箪

長崎の昼静かなる

2020年8月2日

興福寺の山門を入ると正面に、斎藤茂吉の歌碑があります。
「長崎のひるしずかなる唐寺や おもひいづれば しろきさるすべりの花」
この歌碑の建立にあわせて、長崎市が白のさるすべりを植樹してくださったのは60年ほど前のこと。 もともと境内の黄檗池のそばに大きな桃色のさるすべりがあって、茂吉はこれをうたったのではないかと言われています。

さるすべり(百日紅)は、花の開花時期が百日間ほどあるので、百日紅と書き、「ヒャクジツコウ」と読みます。 白は百日白で「ヒャクジツハク」と言い、大変珍しいのです。
そして木の幹の肌がツルツルしているので、木登り上手な猿でさえ滑り落ちるかもしれないというところから「さるすべり」ともよびます。
また、木の幹をさわると、まるでくすぐったがっているように枝が揺れるので「くすぐりの木」とか「こちょこちょの木」ともいいます。

さだまさし氏の小説「解夏」 終盤で、「興福寺の珍しいさるすべりの白い花が咲いたそうだから 見に行こう」というシーンに登場です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ
◎インスタグラム
https://www.instagram.com/kofukuji_nagasaki/

2020年8月の記事
過去の記事