此頃は
　　　　柚子を仏に奉る　　　高浜虚子

白菊と
　　　　別の眩しき黄菊にも　　　　岸　善志

花：藪椿、土佐水木

花入れ：萩耳付


藪椿
門は葎の若葉かな 芭蕉

１１月も中旬となりましたのに、暖冬とは。
来山のお客様のなかには、半袖やTシャツ姿の方もおいでです。

そのような天候だからでしょう、夜顔がまだ咲いています。
もう終わりかと、思っておりましたら、昨夜も一輪咲かせてくれました。
草花もどうしていいかわからずにいるのでしょう、かわいそうな気がします。

花：石蕗の花、姫林檎

花入れ：萩耳付



姫林檎は、住職が自ら植えたものか、どなたからいただいたものか、記憶にないのですが、いつも、この時期になると、可愛らしい実をつけてくれます。
そのままいただいたり、サラダにいれたり、
また南瓜や薩摩芋、牛蒡、里芋などと一緒に、塩、オリーブオイルと蜂蜜をかけて、挽きたての黒胡椒もふってオーブンで焼いていただくことも。

名残の蓮とほととぎす

老の顔
　　　はなやぎて炉を開きけり　　今井つる女

花：初嵐、柏葉紫陽花の照り葉

花入れ：雲仙焼　　石川照


椿の中でも一番早くに花を咲かせるのが「初嵐」です。
真っ白な、凛とした姿を炉開きの床にかざります。
また椿と同様に、このような照り葉も活躍します。

蔓もどき
　　情けはもつれ易きかな　　　高浜虚子