言葉のつれづれ
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瓢箪

竹線香

2017年3月29日

長崎の墓所は、寺の裏山の斜面にあります。
昔は、上に登れば登るほど身分の高い人の墓といわれていましたので、興福寺でも、一番上は歴代の住持達の墓、そしてその下に豪商の中国人檀家達の墓地があります。
その墓所に、檀家さんたちはお花や水をかかえて登っていくのですから、墓参りも大変です。

さて、長崎では、墓参には墓参専用のお線香「竹線香」を使います。ちなみにこれを自宅の仏壇で使うことはありません。
竹ひごにお香がまぶしてある、所謂中国線香のようなものです。一袋が一回の墓参用で、120円と大変安く、仏具屋ばかりか、コンビニなどでも買い求めることができます。線香の下の部分にはお香がまぶしてないので、水にぬれた線香立てにさしても、線香が途中で消えない工夫です。
仏壇用の線香と違って、香りがたかいので、墓所からその線香の香りが漂ってくるのもまた風情です。

東京では、線香は寺の寺務所で求め、その場で火をつけてくれますが、こちらでは、そんなことをしても、墓に行き着く途中ですっかりと燃え尽きてしまいます.
それにしても、長崎の人は本当によく墓参りをします。

瓢箪

ぼたもち

2017年3月23日

今年も届きました。
檀家さんより、ごらんのように大量のぼた餅が。
お彼岸の度にこうして作って届けて頂きます。粒餡、胡麻塩、青のり、きな粉とその数なんと80個。
早速お供えして、スタッフにもお福分けしていただきました。

さて、ぼたもち?おはぎ?どちらが正しいといわれますが、春につくるのは「牡丹餅」で牡丹の花咲く季節、 秋は萩の花のころなので「おはぎ」というのだとか。とても風情のある言葉です。

また、「夜船」や「北窓」とよぶこともあります。
これは、ぼた餅の作り方が餅と言いながら、お餅のように「ペッタン、ペッタン」と音を出ないので、隣人は、いつ搗(つ)いたのか分からない。
そこで、「搗き知らず」→「着き知らず」と、暗い夜にいつ船が着いたのかわからないという言葉あそびから「夜船」といいます。
また、「北窓」は、夜船と同じように、「搗き知らず」→「月知らず」 と言葉遊びで、月を知らない、月が見えないのは北側の窓、ということからなのです。

瓢箪

春彼岸

2017年3月13日

境内では花桃の花が満開です。
特に東明燕の花桃は、遠くから観るとまるで木が燃えているようです。

さて、17日から23日まで春のお彼岸です。
お彼岸はご先祖を供養するものです。
各寺院では、彼岸中に先祖供養の法要が行われます。寺によっては一週間毎日行うところもあります。興福寺では22日にご法要を行います。
このようなお寺での法要に参列したり、墓参をしてお墓のお掃除をし、花を供へご先祖にお参りをします。
お墓といえば、長崎の墓所はそれぞれに大変広く、2坪や3坪ほどのものから大きなところでは20坪ほどの広さありますから、お掃除となると大変です。
また長崎では、寺の裏山の斜面に墓所がありますから、お花やバケツに汲んだお水をかかえて登って行くのは重労働です。
しかし、長崎ではお墓参りをかかさない人が多いように思います。
なんといっても、墓でのお掃除が済み、線香をたむけると、心がすっと落ち着くものですね。
墓参が大事なことは、お墓へ行く、あるいはその帰りの道すがらに亡くなった両親や親類の故人のことを想うもので、なによりも一番の供養は、亡くなった人のことを、いつまでも想う気持ちです。

<墓参の仕方>
・ご本堂で、墓地に眠るご先祖をお守り頂いているご本尊様にお参りをする
・墓所では、まず合掌をしてお参りをする。
・墓所内の清掃=石碑を洗う、墓所内の雑草をとる、落ち葉などを掃く。
・自分の墓所だけでなく、墓所の周りの通路などのお掃除も。
・水や花、お菓子や果物等を供える。
・線香を皆であげて、合掌、礼拝をしてお参りをする。
・供えたお菓子や果物は、その場で、もしくは持ち帰って皆でいただきましょう。
・最後に、ご本堂でご本尊様にお参りをする

瓢箪

春あさし

2017年3月6日

ホトトギス・新歳時記によれば、「春にはなったが、なお寒さが残り、春色のととのわないころを春浅し」といいます。
立春も過ぎて3月となったのに、春とは名ばかりで、木々の芽は固く、まだまだ厚手のマフラーをてばなせない時期です。
でも、冷たいけれど、その風のとおっていくさまや空の色などをみると、春の訪れを間もなくすぐそこにと感じます。
野菜屋の店頭にならんだ菜の花や蕗の薹、空豆などの春野菜をみると、なんとなくこころがうきうきしてきます。
早速今夜あたり、菜の花を辛子のぴりっときいた酢みそでいただいてみましょう。

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