言葉のつれづれ
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瓢箪

鈴虫の

2017年8月22日

日中の暑さはまだ厳しいですが、朝の風はどことなく涼やかで、秋の気配を感じさせます。

興福寺の本堂では、鈴虫がさわやかな鳴き声を響かせています。
りーんりーんと、鈴を振るように続けて鳴く虫で、古来から美しい鳴き声が愛されてきました。昔は虫売がいて、鈴虫や松虫を虫篭にいれて夜店などで売っていたようです。

毎朝、胡瓜や茄子,りんごと、霧吹きでのたっぷりのシャワーが鈴虫にはなによりのごちそうのようです。


鈴虫は鳴きやすむなり虫時雨     松本たかし


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
興福寺のyoutube

瓢箪

百日紅(さるすべり)の命

2017年8月18日

興福寺山門には、斎藤茂吉の歌碑があります。
「長崎の 昼静かなる唐寺や おもひいずれば白きさるすべりの花」。

実は、興福寺の東明燕の池の端には淡い紅色のさるすべりがあり、茂吉はこの花をみて歌を詠んだのだと言われています。

このさるすべりには、このような話しがあります。
今から二十数年前。
「このさるすべりは根からすっかり枯れとるですばい、根から掘って処分しましょ」と植木屋のご主人。
「いいや、ちょっと待って下さい」と、毎日も水をやりながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と声をかけました。
すると、どうでしょう、新しい根がでてきてすくすくと育つではありませんか。
驚いたのは植木屋さん。「こんなことがあっとですかね?」と首を傾げます。

音楽を流しながら、果物を育てている農家のかたの話しを聞いたことがあります。するととても美味しい実がなるのだとか。
さて、花にもやはり心があるのでしょうか?


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
興福寺のyoutube

瓢箪

盂蘭盆会(うらぼんえ)

2017年8月10日

興福寺盂蘭盆会法要
8月14日:11時、13時30分、19時
8月15日:11時、13時30分
於大雄宝殿(本堂)
上記の時間に先祖供養を皆様とともにいたします。ご都合のよろしいときにおまいりくださいませ。


盂蘭盆会はご先祖を供養する法要です。
長崎では、自宅のお仏壇に菰(こも)といわれる藁(わら)で作った敷物を敷いて、お菓子や果物、お野菜などをお供えします。
そして、14日の初日には「迎えだご」」、15日には「送りだご」を供えます。だごとは白玉粉で作ったお団子で、しっかりとねった白玉粉を丸め、人差し指と中指二本でぐっとうえから押さえます。するとこの二本の指のかたちが「人」という字になり、ご先祖を意味するのです。
このo 供えものと一緒に、細長い枝のようなものも二種類供えます。これは帰ってこられるご先祖に使っていただく「お箸」と「杖」です。また、ほおずきはあちらに帰るご先祖の足下を照らす提灯のかわりです。
墓参は、初盆以外の方は14日と15日にお参りします。
長崎のお盆は、なによりも墓参を夜にするのですから、皆様びっくりなさいます。
さらにお墓では花火や爆竹をしてご先祖を迎えるというのですから、他では考えられない習慣です。
やはり、中国文化の大きな影響です。
長崎では、山の斜面にお墓があり、上に行けば行くほど格式の高い墓と言われてきました。暗闇にそれぞれの家紋をいれた紋提灯が灯されるとそれは大変美しい光景です。
お盆が終わると長崎は一挙に秋を迎えます。

瓢箪

百日白(さるすべり)

2017年8月4日

長崎の昼しずかなる唐寺や 
おもひいづれば白きさるすべりの花 斉藤茂吉

興福寺の山門を入ると正面に斎藤茂吉の歌碑があります。
この歌碑の建立にあわせて、長崎市が白のさるすべりを植樹したのはもう50年以上も前のこと。
もともと境内の東明燕に大きな薄紅色の百日紅(さるすべり)があって、茂吉はこれをうたったのではないかと言われています。
百日紅は紅の濃淡色が本来の色。開花時期が百日間ほどあるので、百日紅と書き、「ヒャクジツコウ」と読みます。白色は珍しく、百日白で「ヒャクジツハク」といいます。
木の幹の肌がツルツルしているので、木登り上手な猿でさえ滑り落ちる?というところから「さるすべり」ともよびます。

さだまさし氏の小説「解夏」でも紹介されて依頼、さだファンや解夏ファンの方が、今でも訪れることもしばしばです.
映画「解夏」では興福寺が撮影現場となり、境内の百日白もエキストラとして登場。しかし、撮影当時は開花時期ではなかったため、造花を木に結んでの撮影。それ以来、花のつきが悪くなってしまいました。その理由はわかりません。

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