言葉のつれづれ
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瓢箪

お精進

2017年9月26日

9月26日は結岸。お彼岸の最終日です。
長崎の黄檗宗では、結岸の日に諫早市の性空寺に長崎市内の黄檗宗寺院が参集してご法要が行われます。
お彼岸には各寺院でご法要があり、その後精進料理でのお斎(とき)がふるまわれます。お煮しめや白和えなどの和えもの、おにぎり、いなり寿司などがその献立です。
精進料理とは、もちろん、お肉やお魚を一切使わない料理で、お野菜や乾物、海草、穀物などで調理します。これは、お釈迦様の殺生を禁じられた教えにしたがうもので、仏道修行に励むものへの戒律であります。
よく精進料理は手間がかかって大変と言われる方がおおいのですが、なによりも、お肉やお魚のように臭みをとったり、血抜きしたりなどの手間がかからないだけ、簡単なのです。
一昨年、中国の福州で開催された仏教フォーラムに参加したおりに滞在したホテルは、一切お精進だけでのお食事でした。朝食のバイキングはもちろん昼食、夕食も全てが精進でしたが、それが見事で、大変美味しく毎回感動しながらいただいたものでした。
台湾では、いまでも月一度は精進料理をいただくのだとか。
私たちもたまには精進にして、改めて食べ物への感謝の心を持ちたいものです。

画像は性空寺様の黄檗式の精進料理普茶料理です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
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おはぎ届く

2017年9月23日

今年もとどきました。沢山のおはぎ。
毎年、檀家さんがこうして手作りして届けてくださるのです。その数なんと80個。
さて、おはぎとよんだりぼたもちと言ったりしますが、さて一体どちらがただしいのでしょう。
実はぼたもちは「牡丹餅」で、牡丹の花咲く季節、
秋は萩の花のころなので「おはぎ」と区別して言うのです。

また、「夜船」や「北窓」とよぶこともあります。
これは、ぼた餅の作り方が「餅」と言いながら、お餅のように「ペッタン、ペッタン」と音を出ないので、隣人はいつ搗(つ)いたのか分からない。そこで、「搗き知らず」→「着き知らず」と、暗い夜にいつ船が着いたのかわからないという言葉あそびから「夜船」といいます。
また、「北窓」は、夜船と同じように、「搗き知らず」→「月知らず」 と言葉遊びで、月を知らない、月が見えないのは北側の窓、ということからなのです。

さ、それでは早速仏様にお供えして、皆にもお福分けしていただきましょう。


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秋彼岸

2017年9月23日

20日が秋の彼岸入り
お彼岸は、夏のお盆と同じように、私たち日本人のくらしの中に深くしみこんでいる懐かしい年中行事の一つです。それだけに、形だけに終わらせず、心から亡き人への冥福を祈ると共に、自らを省みて、ご先祖への感謝と報恩の日々を送りたいものです。

<墓参の心得>
墓参の折り、先ずは、本堂のご本尊様にお参りをされてから各自のお墓にお参りなさいますよう。 どうぞ、ご年配の方は率先して、長崎の善き伝統である墓参の作法を若いご家族にお伝え下さいますよう節に希望しております

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補施(ポーゼ)

2017年9月19日

崇福寺での中国盆「普度勝会」も18日で終了。
三日間、朝から4回の読経があり、全国から参集した福建省出身の檀家さんたちと先祖供養を行いました。
最終日の夜は、お金を意味する金山銀山を燃やして、賑やかにお盆も終わりました。

そして最終日から二日目所謂お盆の五日目は補施(ポーゼ)という法要が行われます。
これは、ご先祖の中には高齢者や傷害を持った人もいて、お盆には到着が間に合わないので、二日遅れでご法要をするのです

この中国盆が終わると、長崎では「今年の夏も終わり」と感じるのです


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普度勝会ー中国盆

2017年9月16日

9月16日~18日まで、崇福寺で中国盆の普度勝会が行われています。
中国の旧暦7月26日からの三日間。毎年暦が変わるので、今年は9月16日からになります。

崇福寺の境内には、戻ってきた先祖がこの世で過ごすホテルや映画館、レストラン、球技場、床屋などのミニチュアが飾られていて、参拝者が中国線香をたむけています。
また本堂や開山堂などの諸堂には果物や野菜、乾物など沢山のごちそうもお供えされています。
毎日僧侶達の読経が行われますが、賑やかなのは最終日で、午後7時からお施餓鬼供養が行われ、最後には供えていた金山銀山を燃やして先祖があの世に戻ってもお金に困らないようにと願いながら、先祖を見送ります。

中国盆が終わると、長崎は一挙に秋到来です。


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重陽

2017年9月10日

9月9日は重陽の節句。

古来、菊の花に着せ綿をして、その綿にかかった朝露をしぼって飲むと不良長寿がかなったという故事にちなんでの催事です。
菊花を酒にいれた「菊酒」を飲みながら、菊の花を愛で、菊の歌を詠み楽しんだそうです。
今の時代では、この9月に菊を愛でるにはまだはやいですが、今宵は菊花と冬瓜の和え物や菊酒で一夜を楽しんでみましょう


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夜顔咲く

2017年9月5日

境内の夜顔が咲き出しました。

夜顔は熱帯アメリカ原産のヒルガオ科。
夕方に白い花を咲かせて、朝には凋んでしまいます。
アメリカでは多年草ですが、日本では春巻きの一年草。

夜顔を夕顔とよぶ人がいますが、かんぴょうのもとになる夕顔はまた別の種類です。
別名「夜会草」

夕貌やかぞへどまりに星ひとつ 大島蓼太


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蓮の実とぶ

2017年9月1日

9月、草むらに虫集く頃となり朝の風は随分心地よくなってきました。

興福寺東明燕の黄檗池では無数の秋茜が飛んでいて、睡蓮や蓮の花托にとまったりしています。
蓮は地球上もっとも古い植物といわれていて、1億4000年もの昔から花を咲かせているのだとか。
日本の古いわらべ歌の「ひ~いらいたひいらいた、れんげの花がひ~いらいた」は、れんげ草ではなく蓮の花のことを歌ったものです。
蓮の花が咲き終わると、花托(かたく)となり、それが水分が飛んで、乾燥し焦げ茶色の実托(かたく)となります。この実托が、蜂の巣のようなので「はちす」から「はす」という名がついたのです。

この時期には、蓮の茶色の実托と枯れた葉を花生けとするのも風情があります。


煙草の煙吹きかけて蓮の実飛ぶ  高浜虚子


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