初時雨
2018年11月25日
その年の冬の初めての時雨を「初時雨」といいます。
「初時雨」や「木枯らし」など風情のある言葉です。
このところ、暖かい日が続いていますが、いよいよ寒い冬が来たという感じがそこはかとなく漂います。
北山の雲片寄せて初しぐれ 稲畑汀子
◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
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炉の花~椿
2018年11月16日
11月は口切りの茶事や炉開きの茶事が開かれ、茶人にとっては嬉しい季節。正月と同じくお祝いの季節だからです。
お茶といただくお菓子は亥の子餅で、無病息災を願います。
茶席の床には、秋草にかわり枝物の花が生けられます。その主役はやはり椿。
境内には、「初嵐」「鎮信」「白玉」そして「加茂本阿弥(かもほんなみ)」等の早咲きの椿が咲き出しました。いずれも白色で、お床に飾られた姿は、炉開きに相応しい凛とした美しさです。
椿は、茶花としては、開花したものは使わず、蕾のままを生け込みます。
そして椿の添えとして活躍するのは、照り葉です。化粧柳や雪柳、瑞菜、柏葉紫陽花などの紅く染まった葉は椿とともに風情があります。
画像は「加茂本阿弥椿(かもほんなみ)」
椿の中でも、群を抜く美しさ。別名「窓の月」。白椿の王様です。端正で重厚な花の姿と、濃緑の葉の美しさは何とも言えません。
◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
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白露は
2018年11月8日
白露の 己が姿をそのままに 紅葉に置けば 紅の玉
室町時代の一休禅師のうたで、
「白露はありのままの自分でいながら、紅葉の上では紅の露になる」 と云う意味です。
草木をぬらす朝露は、水晶玉のように透き通っていていますが、紅く色づいた葉の上では紅色に輝きます。しかし、露本来の姿は少しも変っていません。
ものの本当のありようを見失ってはいけない。ありのままを受けとれる自分になることが大切だという意味です。
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炉開き
2018年11月1日
11月は炉の時期となり、茶道では「炉開き」そして「口切り」の茶事が行われます。茶人にとって大切なまた忙しい時期です。
まずは4月頃、その年の摘み取った新茶を茶壺に収めて保存しておきます。そして柚が黄ばむ頃になって、その封印した茶壺の口をきって、蓋をあけて新茶をいただきます。これを口切りといい、茶の世界では一年で一番重んじられる行事で、茶壺から取り出したお茶を石臼でひいて抹茶にしていただくのです
冬支度でととのえた茶席にはいると、炉中の練り香の香りがただよい、床の真っ白な椿が凛とした美しさをたたえて御客様を迎えてくれる、そのような瞬間を茶人達は喜びとするのです。
普段はなかなか体験できないものですが、口切りにあやかって、友人達を招いて、美味しいお茶をいれて楽しいひととき過ごすのもいいものです
下記で興福寺の催事や中国福州での仏教フォーラムなどの動画を
ご覧になれます。
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