言葉のつれづれ
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瓢箪

花のこころは

2018年3月30日

水ぬるむ頃となりました。
興福寺の境内では貝母、椿、利休梅が今が盛りと美しい花を咲かせています。
参拝者を楽しませてくれた花桃もそろそろ終い時です。
遠くから見ると、その濃い桃色が鮮やかで、まるで木が燃えているようで皆さん感嘆の声をあげておられました。
実はこの花桃は2代目。一代目はもっと大きな木で毎年花見にお越しの参拝者にも人気でした。ところが、10年ほど前の台風でぼっきりと折れてしまいました。
折れた古木をそのままにしておりましたら、なんとそこから数本の細い、細い枝が出てきて、ほんのわずかの花を咲かせるようになり、そして今はすっかりと大きく成長して、先代にまけずに見事な花を咲かせてくれるようになりました。
貝母も、利休梅もなにもせずとも、毎年花を咲かせてくれる。
一生懸命に花を咲かせている姿から、学ぶ事の多いこの春の毎日です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
興福寺のyoutube

瓢箪

墓参~竹線香

2018年3月25日

長崎の墓所は、寺の裏山の斜面にあります。
昔は、上に登れば登るほど身分の高い人の墓といわれていました。
興福寺も、歴代住持の墓は山の一番上にあり、その下に豪商の中国人檀家達の墓地があります。

お彼岸には墓参りはかかせませんが、その際に長崎では「竹線香」を用います。インドや中国製のようなもので、竹ひごにお香がまぶしてあります。一袋が一回の墓参用で、120円と大変安く、仏具屋ばかりか、コンビニなどでも買い求めることができます。
線香の下の部分にはお香がまぶしてないので、水にぬれた線香立てにさしても、線香が途中で消えることはないのです。
仏壇用の線香と違って、香りがたかいので、墓所からその線香の香りが寺町まで漂ってきて、彼岸のころならではの風情です。
しかし、この竹線香を自宅の仏壇には使いません。
自宅用と墓参用を分けて使うのは長崎だけではないでしょうか



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瓢箪

お彼岸~ぼた餅

2018年3月21日

今日はお彼岸のお中日。檀家様より沢山のぼた餅をいただきました。
ぼた餅は、春の呼び方で「牡丹餅」。牡丹の花咲く季節、秋は萩の花のころなので「おはぎ」。とても風情のある言葉です。

また、「夜船」や「北窓」とよぶこともあります。
これはぼた餅の作り方が餅と言いながら、お餅のように「ペッタン、ペッタン」と音を出ないので、隣人は、いつ搗(つ)いたのか分からない。そこで、「搗き知らず」→「着き知らず」と、暗い夜にいつ船が着いたのかわからないという言葉あそびから「夜船」といいます。
また、「北窓」は、夜船と同じように、「搗き知らず」→「月知らず」 と言葉遊びで、月を知らない、月が見えないのは北側の窓、ということからなのです。
それにしても、ぼた餅の数がなんと75個。作られた檀家の奥様は「病気で倒れてから手足が不自由だから、リハビリのためにやってるので」と仰っていますが。
粒あんあり、きな粉あり、青のりと種類も工夫してくださって。
早速お供えして、寺のスタッフにも「お福分け」していただきました。
感謝です。



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春彼岸

2018年3月18日

春は18日が彼岸入り。
お彼岸というのは、「この岸よりかの岸に到る」という意味で、偽りの多い世界を離れ、まことに生きる理想の世界へ渡るための大切な信仰修養の一週間であります。
お彼岸を迎え、ご先祖の供養をしつつ、自分のこころの修養につとめて頂きたいものです。それは簡単なようでいてむずかしいことですが、「おかげさまで」、「有り難う」と両手をあわせて拝むことのできる心を養うことこそ、彼岸への第一歩となるのではないでしょうか。

興福寺では3月22日14時より本堂にて先祖供養の法要を行います。
どうぞ、お参り下さい

*画像は、東明燕の花桃です。 br>


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桃のちから

2018年3月16日

境内の花桃も満開に花咲き、まさに春爛漫。
先代住職は、雛のまつりには、必ず桃酒を供えていました。桃酒といっても、日本酒のとっくりに桃の枝を一枝いれただけのものですが、それを夕食時には、皆ですこしずついただいて、無病息災を願ったものです。

古来より、桃は邪気をはらうものとされてきました。桃の枝でこさえた矢を射って邪気を払う儀式を行ったり、桃の花をちらした水や酒を飲んで無病息災を願うなど。
もとは、3月3日が西王母の誕生日にあたるために、西王母の霊力をもって邪気を払う様々な行事がはじまったようです。
また、日本の神話にも、黄泉の国にいるイザナミを追っていったイザナギが、鬼に追いかけられたときに、桃の実を投げつけて鬼を退治した話しもあります。

中国では、無花果や仏手柑とならんで桃は魔よけとされてきました。黄檗宗では「桃戸」といい、お堂の正面扉に桃の実や花をかたどった彫刻がほどこされ、この扉を内側からおもいっきり開くことで悪魔退散を願う行事があります。
唐寺に参拝するときに、桃の絵柄や彫刻を探してみるのも楽しいものです。

さて、本当に桃にそのようなちからがあるのか、今夜は酒に桃の花びらを浮かしていただいてみては如何でしょう



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花桃満開

2018年3月15日

花桃が満開です。
遠くからですと、まるで木が燃えているようにみえます。
花桃が満開になると、まさに春到来。春彼岸会もまもなく始まります。

けふ出でてわれも野の人桃の花 森澄雄



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花桃

2018年3月10日

境内の花桃もほころんで、春彼岸の頃には満開を迎えるでしょう。
原産地は中国で、花を観賞するために改良された桃。
かなり大きな実がつきますが、食用にはできません。

けふ出でてわれも野の人桃の花 森澄雄



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啓蟄(けいちつ)

2018年3月5日

二十四節気の第3節目で、3月6日頃を言います。
「啓」とは動作や行動を意味し、「蟄」は冬眠の状態をいい、冬眠していた虫たちも土から顔をのぞかせる日です。
山々では鳥たちもなく声を聞かせ始めます。
今年は天候が不順で、雨やら雪やらと例年にない日が続いています。興福寺境内の梅もやっと沢山の蕾がほころび始めました。
梅の季語は「初春」。春の訪れが待ち遠しいこの頃です。
畑では、野菜についた虫たちが蝶になり、また桃の花もつぼみがふくらんでいます。
春到来。今月はお彼岸会も催されます。


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