言葉のつれづれ
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瓢箪

水無月

2018年6月29日

6月30日は夏越祓(なつごしのはらえ)の日。
長崎の氏神諏訪神社でもお祓いの儀式が行われます。
一年の半分の折り返しの月にあたって、この半年の罪や穢れを祓い、残りの半年の無病息災を祈るのです。
この大祓の日、京都では「水無月」という生菓子を頂くのが慣例の行事です。
三角形の白いういろうの上に小豆をのせたもので、三角は氷りを表し、小豆あんは悪魔払いを意味するのだとか。
昔、朝廷では、氷室から取り出した氷を口にすると夏やせをしないといわれ、臣下にも配られたようです。
もちろん一般庶民には氷など手にはいることもないので、このお菓子ができたのでしょう。三角形の真っ白なういろうでかち割りの氷を表現したのですね。
京都の北山には氷室の地名が残っています。

ところで水無月とは六月の別名で、様々な説があるようです。
うっとうしかった梅雨も明けて、水がかれてしまう月との解釈が多いようですが、「水張月(みずはりづき)」といって、田植えがすんだ田圃に水をやる月ということのようであったり、田植えもすんでやれやれ大仕事が終わって、ということからの「皆仕尽(みなしつき)」であるとする説など様々です。

なにはともあれ、今年の半分を無事に過ごせたことを感謝、
そして夏の暑さをのりこえられるように。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

瓢箪

梅干し

2018年6月23日

梅雨の頃は、梅干し作りで多忙のとき。興福寺でも境内で収穫した青梅を塩漬けしていたものに、本日紫蘇を入れて梅干し作りが一段落。
後は,土用の日に行う土用干しまでしばらく待ちます。
昔から、梅干しは家庭の常備品として、毎年どこの家庭でも手作りしていました。「医者殺し」と言われて,薬としても活躍してきました。
効用の第一は防腐剤や殺菌剤として、弁当のご飯の真ん中にいれたり、またおにぎりには必ず梅干しを一個いれたものも、防腐剤としての役割からです。
また疲労回復にもよいとされる梅干しです。
先代住職は、朝からお参りの檀家さんにはお茶と梅干しをおだししていました。

そこで梅干しを使った一品を。
薄く切って塩もみしたゴーヤとさっとゆでたエノキを梅肉とほんの少しの濃い口醤油であえます。
夏の食欲のないときなどにはうってつけの一品です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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和菓子の日

2018年6月19日

6月16日は和菓子の日(1979年全国和菓子協会制定 )
平安時代、国内に蔓延した疫病除けのために、848年、仁明天皇が元号を「嘉祥」とあらため、6月16日に16の数に因んだ菓子を神前に供えて、除厄・疫病退散・健康招福を願ったといわれています。
その後室町時代には慣例の行事となり、また江戸時代には、江戸城の大広間に集まった大名や旗本に数万個の菓子を配るという儀式もあったようです。
町方でも、「 嘉祥食 ( かじょうぐい )」 と呼んで、和菓子を食べて疫病退散・健康招福を祈願する行事として盛んに行われたのだそうです。

和菓子をいただいて、健康招福祈願とは、スイーツ好きの人にはたまらない行事ですね。

興福寺では、今の季節のお抹茶には、境内に咲く半夏生をそのまま主菓子にした「半夏生」をおだししています。
もちろん御製は長崎の名補寿福です。
昨年、どうにかしてこの美しい半夏生をお菓子にとお願いして作っていただきました。今年はさらに美しさが増して、白に緑の餡が透き通ってそれはそれは美しくそして美味に出来ました。お抹茶は京都の小山園です。どうぞご賞味ください。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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梅雨の半夏生

2018年6月13日

梅雨はその昔「黴」のはえる頃の雨なので「黴雨=ばいう」とよんでいました。また梅の実が熟する時期から「梅雨=ばいう」といいました。 江戸時代には、梅の実が熟して潰れるから「潰雨=つゆ」というようになったのだそうです。        
興福寺でも、境内の梅を塩漬けにする作業が終わりました。 今年は裏作とかで、わずかな収穫。それでも20㎏の梅で、塩漬け、砂糖漬け、梅ジャム、梅酒などにいたしました。  梅干しは医者いらずとも言って、我々の健康にはかかせないもの。 毎日、1~2粒頂くといいとのこと。おにぎりやご飯と一緒にいただくのも美味しいですが、青魚を煮るときに2粒ほどいれたり、また、揚げ物の時に、古い油を使う際にやはり2粒ほど入れるとこれもまたよろしいのです。
また、境内の半夏生も今見頃です。半夏生はその名の通りに、葉が半分白くなり、大変珍しいものです。
紫陽花季は済みましたが、珍しい柏葉紫陽花等はまだまだ見頃です。そして、枯れた紫陽花の花もまた風情があります。 紫陽花パスポートは今月末までです。どうぞお出かけ下さい       


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

瓢箪

雨にけむる紫陽花たち

2018年6月6日

興福寺の紫陽花まつり「紫陽花季~雨にけむる花たち」は終了いたしましたが、まだ境内の紫陽花は見頃です。
どうぞお誘いあわせのうえお越し下さいませ。

長崎も梅雨入りして雨降りの日が続きます。
古来より、日本人は梅雨のうっとうしい雨にさえ楽しむ心を持っていました。紫陽花こそ雨に似合います。
境内の紫陽花のほとんどが山紫陽花で、西洋紫陽花と違って可憐な姿が人気です。

紫陽花の頃のお楽しみの一つ、お抹茶も紫陽花の主菓子でお出ししています。住職考案の興福寺オリジナルの「紫陽花」は長崎の名補寿福さんにお願いして作っていただきました。
お花を愛でたあと、どうぞ一服なさってください。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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