言葉のつれづれ
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瓢箪

炉の花 椿

2019年11月28日

11月に炉を開いて冬仕度をした茶席では、秋草にかわって枝ものの花をしつらえます。
ここで活躍するのは椿。
興福寺境内にはたくさんの椿があり、特に住職の好みでしろ色が多く咲きます。その中で一番早く花を咲かせるのは「初嵐」。すこしばかり先がとがったようなつぼみは、まだ堅く早咲きの風情を感じさせます。続いて咲くのは「白玉」「加茂本阿弥」「藪椿」など。
裏千家では、炉開きの茶事で生ける椿を、一日かけてお家元が椿園で選ばれるとききます。たった一日だけの茶会の花を、それもたった一枝の椿を、その咲きかげんや枝振りを選ばれている家元の姿を想像すると、身が引き締まる想いです。
寒いときには暖かく、暑いときには涼やかにお客様をおむかえるする心の持ち方を学ぶのが茶の道です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

瓢箪

初時雨

2019年11月20日

托鉢の衣を濡らし初時雨    西沢信生

初しぐれとは、秋から冬にかけて一時的に降ったり止んだりする雨や雪のことをしぐれといい、その年の冬の、初めてふる時雨のことを初時雨といいます。
いよいよ冬が来たと感じさせる風情ある言葉です。

12月2日には、恒例の長崎市仏教連合会主催による歳末助け合いの托鉢が行われます。
午前中は稲佐地区、午後からは中央地区で出来大工町の光雲寺~新大工町~中通り~新地町~興福寺のコースとJR長崎駅前の本蓮寺~五島町~大波止~浜の町~寺町興福寺の2コースです。
市内寺院の僧侶と檀信徒様が参集します。
集まった義援金は長崎市へ納めます。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

瓢箪

白露の

2019年11月15日

白露の 己が姿をそのままに 紅葉に置けば 紅の玉

室町時代の一休禅師のうたで、
「白露はありのままの自分でいながら、紅葉の上では紅の露になる」 と云う意味です。
草木をぬらす朝露は、水晶玉のように透き通っていていますが、紅く色づいた葉の上では紅色に輝きます。しかし、露本来の姿は少しも変っていません。
ものの本当のありようを見失ってはいけない。ありのままを受けとれる自分になることが大切だという意味です



◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

瓢箪

口切りの茶事

2019年11月4日

11月の声をきくと、つい先日までの暖かさがうそのように、吹く風も冷気がまじり、日の長さも短くなって来ました。
立冬は11月初旬。霜月の意味は草むらに霜がおりはじめる月だから。
この時期、お茶では、茶の正月を祝う口切りの茶事が行われます。
5月、その年の新茶を摘み、茶壺に詰めて封をします。摘んだお茶をすぐにいただくのではなく、適当な期間ねかせておいて、味が落ち着いたものを味わうためです。
11月、茶道のそれぞれのお家元では、招いたお客様に茶壺の封を切り、臼でひいた茶をたてて差し上げる茶事が催されます。
興福寺では11月1日、新しく缶を開けてお茶を点て、仏様にお供えして皆でいただきます。この時期ならではのお茶を楽しむことができることの幸せを感謝します。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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