言葉のつれづれ
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瓢箪

花桃咲く

2020年2月25日

興福寺境内の三江会所跡の花桃が満開です。

もともとは開山堂と三江会所があったところですが、第二次世界大戦の原爆によって崩壊してしまいました。
戦後は、先代住職が紫陽花や牡丹、菊などを丹精込めてつくり、見事な花壇となっていました。
それが、国重要文化財本堂の平成の大修復の折に、現在のような和風の庭園に作り替えられました。
そこに植えられたのが花桃でした。
開花時期になると、八重の花が満開となり、遠くから見るとまるで木が燃えているようでした。
それが、老木となって台風の時の強風で,根のあたりからぼっきりと折れてしましました。これはもう処分するしかないと思っていたのですが、そのままにしておりましたら、飛んでもないところから芽がでて、それが10数年たって今はこのように大きくなり、毎年満開の花を咲かせて楽しませてくれます。
大きな実がなりますが、食することはできません。
花の色は、濃い色で、赤でもなく、桃色でもなくなんとも言い表せない色です。
どうぞ、花見がてらご来山くださいませ。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

瓢箪

梅ほころぶ頃

2020年2月20日

東風ふかば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな

大宰府に流される菅原道真公が庭の梅の木に詠んだところ、梅はのちに大宰府まで一夜にして飛んでいったという話しは有名です。
境内の東明燕の梅も随分とほころんできました。
梅は、古来から日本人にこよなく愛された花です。着物や建具、器などの模様に梅の絵柄を用いてきました。
茶席ではこの時期、「梅ヶ香」という香を焚いてお客様を迎えますし、お床にも梅を活けます。ただし、梅は花ひらくと香りがあって、梅ヶ香の香りと重なるので、蕾の枝を使い、椿や菜の花などと活けこみます。 梅ヶ香の香りただようお茶席で、お床の梅を愛で、春遠からじと感じるのもまた楽しいものです。
亡くなりました先代は、晩酌のおりに、徳利に梅の枝一本をさして楽しんでいました。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

瓢箪

梅見月

2020年2月11日

長崎ランタンフェスティバルも終わり、境内はまたもとの静けさを落ちr戻しています。

暦ではすでに春。でもまだまだ厳しい寒さが続きます。
この時期、お茶では「筒茶碗」の手前。
筒状の茶碗で、温度が冷めにくいようにという配慮です。茶室ではおおぶりの釜から立ち上る湯気と、しゅんしゅんと湯の沸く音にほっと喜びを感じます。
この筒茶碗の頃になると、必ずお話するのが豊臣秀吉の鷹狩りの茶の話しです。
太閤が鷹狩りに出て、喉がかわいたので近くの農家によって、茶を所望しました。その家の小僧がだしたお茶をいっきに飲んで二杯目を頼むと、最初と温度もお茶の濃さも違ってたことに気づいた太閤。喉の渇きは充分にとれていましたが、試しに三杯目を所望すると、今度は熱く濃いものが少しの量ででてきたのだそうです。一杯目は、いっきに飲めるように薄くてぬるいお茶がだされたのです。
三杯ともお茶の濃さも温度も違えた配慮に、その小僧をその場で自分の家来にと連れ帰った秀吉で、その小僧はその後秀吉公の片腕となって活躍したとのことです。
この寒い時期、ふるえながらたずねて来られた御客様には、温かくした部屋とふうふう言って召し上がってもらう熱々のお茶がなによりのご馳走です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

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