言葉のつれづれ
ホーム » 言葉のつれづれ
瓢箪

墓参と竹線香

2020年3月25日

寺町には、整然と,それも一列に八ヶ寺がならんでいます。宗派はそれぞれ違いますが、創建はほぼ同じ頃です。
興福寺は1620年で、他の寺もその前後に建立されています。
もちろん、幕府のキリスト教禁教令によって、長崎奉行所の正面の山裾にお寺が集められたということです。

さて、その寺町にならぶ寺院の裏山にそれぞれの墓所があります。
昔は、上に登れば登るほど身分の高い人の墓といわれていましたので、興福寺も、歴代住持の墓は山の一番上にあり、その下に豪商の中国人檀家達の墓地があります。
その裏山にならぶ墓所へ、長崎の人たちはお花や水をいれたバケツをかかえて登っていかなければならないのですが、皆さん信仰深く、月に1回もしくは2~3回は墓参りをなさっているようです。
その墓参りにかかせないのは線香。
長崎では「竹線香」を用います。インドや中国製のようなもので、竹ひごにお香がまぶしてあります。一袋が一回の墓参用で、120円と大変安く、仏具屋ばかりか、コンビニなどでも買い求めることができます。
線香の下の部分にはお香がまぶしてないので、水にぬれた線香立てにさしても、線香が途中で消えることはないのです。
また仏壇用の線香と違って、香りがたかいので、墓所からその線香の香りが寺町まで漂ってきます。しかし、この竹線香を自宅の仏壇には使いません。 自宅用と墓参用を分けて使うのは長崎だけではないでしょうか。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

瓢箪

ぼた餅

2020年3月22日

毎年のお彼岸に、檀家様より沢山のぼた餅をお供えしていただきます。
今年も届きました。その数64個。昨秋は80個でしたが、今年は怪我をなさっているにもかかわらず届いて、皆感激でした。粒あん、きな粉、ごま塩、青のりの四種。
22日の彼岸法要でお供えしました。法要の後参詣の皆様にもお福分けしていただきました。

ぼた餅は、春の呼び方で「牡丹餅」。牡丹の花咲く季節、秋は萩の花のころなので「おはぎ」。とても風情のある言葉です。
また「夜船」や「北窓」とよぶこともあります。
これはぼた餅の作り方が餅と言いながら、お餅のように「ペッタン、ペッタン」と音を出ないので、隣人は、いつ搗(つ)いたのか分からない。そこで、「搗き知らず」→「着き知らず」と、暗い夜にいつ船が着いたのかわからないという言葉あそびから「夜船」といいます。
また、「北窓」は、夜船と同じように、「搗き知らず」→「月知らず」 と言葉遊びで、月を知らない、月が見えないのは北側の窓、ということからなのです。

当山住職の大好物とあって、毎年いただく数が増えに増えて。
いただく箱も紙箱あり、篭ものあり、今年は桐箱風のもので、そして緑が必ずそえてあるのも風情です。
美味しくいただきました。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

瓢箪

春彼岸

2020年3月17日

春は17日が彼岸入り。
お彼岸というのは、「この岸よりかの岸に到る」という意味で、偽りの多い世界を離れ、まことに生きる理想の世界へ渡るための大切な信仰修養の一週間であります。
お彼岸を迎え、ご先祖の供養をしつつ、自分のこころの修養につとめて頂きたいものです。それは簡単なようでいてむずかしいことですが、「おかげさまで」、「有り難う」と両手をあわせて拝むことのできる心を養うことこそ、彼岸への第一歩となるのではないでしょうか。

ただ、今年は新型コロナウイルス感染のため、興福寺の彼岸法要は中止と致します。
ご案内を差し上げていた法要の当日22日14時には、檀家様不在のまま本堂にて先祖供養の法要を行います。どうぞご理解とご協力をお願いします。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

瓢箪

啓蟄(けいちつ)

2020年3月7日

二十四節気の第3節目で、今年は3月5日から春彼岸までです。
「啓」とは動作や行動を意味し、「窒」は冬眠の状態をいい、冬眠していた虫たちも土から顔をのぞかせる日です。
気候も日に日に暖かくなっていき、山々では鳥たちもなく声を聞かせ始めます。
畑では、野菜についた虫たちが蝶になり、また桃も花開いて、まさに春到来です。
境内の花桃は満開です。遠くから見るとまるで木が燃えているようにみえるほどです。
春到来。まもなくお彼岸です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

瓢箪

古賀人形

2020年3月3日

長崎街道の古賀村で作られていた土人形で、京都の伏見人形、仙台の堤人形とともに日本三大土人形といわれています。

約400年前、京都の諸公卿(しょくぎょう)の御用達土器師常陸之介(ひたちのすけ)が旧長崎街道沿いにある小川家を訪れ、1年余り滞在した中で土器製造の秘法を伝授したのが古賀人形のはじまりといわれています。
農業の傍ら副業として神仏の儀式用の土器を作っていたものが、晩年になり人形を制作するようになったのだそうです。
人形はお雛様や阿茶(アチャ=中国人)や西洋婦人、シャモを抱いた猿などがあります。なんともいえぬ素朴な風情で、近年人気を呼んでいます。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ  

2020年3月の記事
過去の記事