ゆかりの唐僧 (4/4)

近世漢画の祖 逸然禅師

逸然禅師

正保元年(1645)に渡来、興福寺第三代住持となられた逸然禅師は、隠元禅師招請の中心となった功労者だが、絵に秀で、とくに仏像、人物が巧みで、その門下から渡辺秀石、河村若芝などの名手が輩出し、近世漢画いわゆる唐絵(からえ)と称される長崎系絵画が発達した。また、書もよくし、象嵌、篆刻にも優れていた。 中国では明末に篆刻が盛んに行われ、初期黄檗僧が用いた見事な印章は書を引き立たせ、わが国に篆刻の楽しさ、印章の美しさへの目を開かせた。

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